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Things to Come (1936) / 来るべき世界

来るべき世界 (映画) – 1936年のイギリス映画。物故したH・G・ウェルズ作の小説を作者自らシナリオ化したものによって「波止場の天使」を共同監督したウィリアム・キャメロン・メンジースが監督に当り、「ドン・ファン」「コンゴウ部隊」のジョルジュ・ペリナルが撮影した。

Things to Come (1936) / 来るべき世界のあらすじ

一九四〇年の降誕祭前夜、エヴリタウンに住む航空技師ジョン・キャバルは自宅で新聞を手にしていた。「切迫せる国際関係一万台の飛行機組立」記事は動揺せる各国の情勢を報じている。ここへ若い医師ハーディングとその友バスウァージイが来訪する。夜半エヴリタウンは突如来襲した敵機に大半を破壊された。戦争は二十年の長きに渡って継続した。世界の文明は殆ど戦禍の為に破壊され、人類は原始的な生活に還った。やがて廃墟同然なエヴリタウンを襲ったのは疫病であった。不思議な「彷徨病」に取り憑かれた市民は日々エヴリタウンに増していく。ハーディング医師は既に齢五十に近かったが、日夜研究室に篭って娘のメリイと共にこの解毒剤の発明に没頭していた。一九七〇年、エヴリタウンは漸く戦禍と疫病の極端な荒廃期を脱して復興の途につきだした。街は今強力な支配者の統制下にある。飛行家のゴードンは格納庫で飛行機の手入れをしていた。だが全市を探しても僅か三ガロンのガソリンしか手に入らないのだ。飛行は到底不可能である。その夕方一台の飛行機が飛んで来た。操縦士は会ってのジョン・キャバルであった。彼は支配者の前に曳き出され、エヴリタウンの新戦争に参加する事を強いられたが、これを拒絶したため檻禁された。ゴードンはキャバルの機を密かに取出し、近代科学の都市バラスへ飛翔した。間もなく彼の先導によって飛来した一群の飛行機の為にエヴリタウンは征服され科学の統治する新世界が建設された。二〇五四年、エヴリタウンは地下都市として完全な形態を備えるに至った。月の世界へ人類を運ぶ「空中砲」が完成され、人々は競ってこれの搭乗を希望している。しかし一方止まる事の無い科学の進歩に叛く人々があった。「空中砲を破壊せよ」の声が街に高まる。やがてそれが行動に移されようとする直前、キャバルの娘とその恋人を乗せた巨大な空中砲は月世界を目がけて発射され、叛乱の群集は空しく街へ帰って行った。