『アバター』(Avatar)は、2009年に公開されたジェームズ・キャメロン監督によるアメリカ映画。3D映像による劇場公開が、大きく取り上げられた作品。世界興行収入は、歴代1位となる26億4000万ドル(約2385億円)を記録している。
・ amazon prime video : アバター (字幕版)
・ Apple : アバター (吹替版) – James Cameron
西暦2154年、人類はアルファ・ケンタウリ系惑星ポリフェマス最大の衛星パンドラで希少鉱物の採掘基地を開いていた。パンドラは地球の熱帯雨林を思わせる、密林に深く覆われた美しい未開の星であり、ジャングルには獰猛な野生動物たちと、ナヴィという人間型の種族が暮らしており、彼らがテリトリーとする森の奥には地球のエネルギー問題の解決の鍵となる希少鉱物アンオブタニウムの鉱床があり、人間との間で小競り合いが発生していた。
人間はパンドラの大気で呼吸できないため、屋外での活動にはエグゾパックというマスクを着用する必要があった。また、先住民であるナヴィと意思を疎通し交渉するために人間とナヴィの遺伝子を組み合わせ作りあげた肉体アバターが用いられた。アバターの操縦は自身の遺伝子を提供した人間しか遠隔操作出来ない。この一方、操作していないときはアバターは制御されず周りの人間からは突然仮死状態になったようにしか理解できないことになる。ナヴィの人々は人間と比べて文明度ははるかに劣り科学技術の恩恵はほとんど受けておらず呪術に縛られた生活をしているが、自然と共生し幸福に暮らしている。
トミー・サリーはアバターの操縦のために志願して遺伝子を提供したが、わずかな金目当ての強盗に射殺されてしまった。アバターの製作には多額の費用と時間が掛けられており、遺伝子を提供した本人でなければ操縦は出来ない。そこで急きょ一卵性双生児でサリーと同じ遺伝子を持つジェイク・サリーが代役を務めることになった。しかしジェイクは適正な教育訓練を受けておらず、荷が重すぎたが会社は多額の金銭の提供を条件に役割を受け入れさせた。ジェイクは代役として急遽パンドラに派遣され、アバターの操縦者を務めることになった。元海兵隊員の彼は地球での戦闘で下半身不随になっており、パンドラでの任務の報酬で足の治療を受けるつもりだった。しかしパンドラでは、アバターのボディを借りている間だけ、再び歩ける体を取り戻す事に気づく。ジェイクは採掘基地の傭兵隊長クオリッチ大佐と出会い、同じ軍関係者の誼もあり、ナヴィを偵察する密命を引き受けた。初期のジェイクは心理的に完全に人間 (会社) を準拠集団としていた。
ある日、アバターとしてフィールドワークに参加していたジェイクは仲間とはぐれ遭難し、ナヴィの女性ネイティリに助けられた。彼女は若くて勇敢な戦士であった。始めはジェイクに敵愾心を示すがやがて理解するようになり、やがては相思相愛の仲になる。ネイティリの父である部族の長老はジェイクの元戦士という経歴に興味を示し、シャーマンである長老の妻は、ジェイクの教育と訓練をネイティリに命じた。それは当初、ジェイクにとっても偵察に好都合だった。しかし、ナヴィと共に暮らし、パンドラの自然の神秘を知り、ナヴィに受け入れられてゆくにつれ、自然と共生する生活を送るナヴィの人々に共感を抱くようになる。そしてやがてジェイクはパンドラにおける人間の振る舞いについて疑問を持つようになっていった。