『スキャナーズ』(Scanners)は、1981年のカナダの映画。
デヴィッド・クローネンバーグ監督・脚本によって超能力者達の闘いを描いた SFホラー映画である。
“カナダのジャック・ニコルソン”とも呼ばれたマイケル・アイアンサイドが狂気に満ちた悪役を演じ、当たり役となった。
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無口な放浪者ベイル(スティーヴン・ラック)は、ある日ショッピングセンターで客の食べ残したハンバーガーを食べているところを婦人客に蔑まれ、悪意の目で彼女を睨んだ。すると、女性はもがき苦しみだし卒倒してしまう。ベイルはコート姿の男達に麻酔銃を撃たれて捕まり、ある施設のベッドで目を覚ます。そこは要人警護の国際的警備保障会社コンセック社が設立した超能力者(スキャナー)の研究所で、研究者のルース博士(パトリック・マクグーハン)から、ベイル自身がスキャナーであると告げられ、スキャナー達を地下組織で集結させ世界征服を企てる破壊的スキャナーのレボック(マイケル・アイアンサイド)殺害を要請される。
レボックは、かつて混乱から自己破壊的になり自ら眉間に穴を開け、その傷跡が残っているのが特徴の男である。その後、更に破壊的になった彼はコンセック社のスキャナー公開実験に単身潜入し、その席上でレボックにスキャンを試みたスキャナーに対し、逆にスキャンし返して相手の頭部を内部から破裂させて吹き飛ばし、取り押さえにかかった銃装備の屈強なガードマン達をも次々と行動をコントロールして易々と現場から逃走し、他を圧倒する強大な力量を持つスキャナーであった。
ルース博士によってスキャナーとしての能力を覚醒させたベイルは、各地のスキャナー達に会いに出かけるが、レボックの意に従わない者には既に魔の手が伸びていた。レボックの手下によって続々とスキャナー達は殺害され、難を逃れたベイルは若い女性スキャナーのキム(ジェニファー・オニール)と逃走する。ベイルとキムの元へ現れた刺客が携帯していた薬物(エフェメロル)から、レボック追求の手がかりが生化学研究所にあると突き止めたベイルは工場に潜入する。そこではレボック指揮のもとコンピュータ管理で大量のエフェメロルが生産され、コンセック社とつながりがあることを知る。キムと共にコンセック社へ駆けつけたベイルはルース博士にその事を語りコンセック社の中に裏切り者がいると告げるのだが、ルース博士は裏切り者によって銃殺される。コンセック社からも命を狙われるはめになった2人は逃走し、公衆電話から電話回線を通じてコンセック社のコンピュータをスキャンしてシステムの破壊に成功したものの、突如現れたレボックによって捕獲されてしまう。
レボックの拠点で「レボックはベイルの兄である」ことと「ルース博士は2人の父親で、スキャナーを生み出した張本人である」ことを告げられたベイルは共闘を持ちかけられるが、これを拒否。共闘を断念し、ベイルをスキャンして己の身体に取り込もうとするレボックとの間で壮絶なスキャン対決が展開される。目を覚ましベイルを捜すキムが見たものは、苦悶の表情を浮かべながら横たわる灰と化した一体の焼死体であった。呆然とするキムに部屋の隅で外套に身を包む男から声がかかる。外套を取ったその男の姿は眉間の傷が消えたレボックで、その男は「僕達は勝ったんだ」と訝しがるキムに語るのだった。