『地球最後の日』(ちきゅうさいごのひ、When Worlds Collide)は、1951年に製作されたアメリカ合衆国の映画。
南アフリカのケンナ山観測所(天文台)にて、地球への衝突コースを辿る2個の放浪惑星ベラス(綴りは「Bellus」。カナ表記「ベラス」はビデオ版の字幕を踏襲した。テレビ放映時は「ビラス」)とザイラ(Zyra)が観測された。観測責任者のブロンソン博士は、その2天体の進路の検証を依頼する為、天体を撮影した感光版を民間パイロットのデヴィッド・ランドールに預け、ニューヨークにあるコスモス観測所のヘンドロン博士に届けさせた。ランドールは手渡された前金が約束より少ない事に抗議したが、ブロンソンは「残りはヘンドロン博士が払う」と言った後「その時がくれば金など紙切れだ」と付け加えた。ランドールは不審の面持ちを浮かべながらも依頼を引き受け、ニューヨークに向かった。
感光版を検証したヘンドロン博士が得た結論は、ブロンソン博士の計算と一致した。ヘンドロン博士は、ベラスとの衝突による地球の消滅と入れ替わりに、ザイラが地球の軌道に定着するとも計算していた。一刻も早く脱出ロケットを建造し、事態に備えるべきだとの警告を国連に送るが、一笑に付されてしまう。
だが、億万長者のシドニー・スタントンだけはヘンドロンの提案を採り上げた。当初スタントンは、資金提供の代りに自分が乗組員全員を選択する事を条件として提示したが、ヘンドロンは頑としてそれを拒否した。交渉の結果、スタントンは「自分を乗せる」という条件のみで渋々資金提供を受諾した。こうして選ばれた男女数百人の優秀な若者が建造に参加し、その内の数十名がロケットに乗り込めると約束された。
2天体は日を追って地球に接近しつつあり、脱出ロケットの建造と乗組員の選抜が順次進められていたが、ザイラ接近の影響で地震や洪水が世界中で頻発した。パニックも起こり、犠牲者が刻一刻と増えていった。
脱出ロケットがほぼ完成に近づく中、乗務員に選ばれるか否かが次第に重要課題となっていった。計画の中心人物を除いては最終的にくじ引きによって決定されたが、選ばれながらも、選ばれなかった恋人と地球に残る事を申し出る者や、逆に銃を突きつけて乗り組みを強いる者も現われた。
不穏な空気が次第に満ちていく中、ロケットの準備が完了した。この時、建造に関わりながらも乗組員に選ばれなかった者がついに暴徒と化して、ロケット発射施設を襲った。ヘンドロン博士は、娘のジョイスやランドール、その他の乗組員たちが乗り込むのを見届けた後、身を挺して暴徒から発射施設を守るべく地上に残り、同時に(新世界には相応しくないと判断した)スタントンの脱出ロケット乗り込みも阻止した。脱出ロケットは山の斜面を利用したカタパルトを滑るように動き出し、地球を脱出した。
やがて、飛来したベラスと地球が激突。地球は砕け散った。発進地を失ったロケットが向かう先は、新たなる地球と化した惑星ザイラだった。残り少ない燃料を駆使してロケットはザイラの氷原に無事着陸し、新たなる地球・ザイラでの人類の歴史が始まった。